三つ峠は標高1785m、御坂山地の東側に位置し、富士箱根伊豆国立公園の特別地域に指定されています。
山頂周辺は防鹿柵内においては豊かな植生が残り、アツモリソウなどの希少なラン科植物の自生地となっています。
花の百名山にも選ばれ、かつては登山道沿いは埋め尽くす程の様々な花々を見て楽しむことができました。
これまでの三ツ峠の植生と保護活動の経緯は三ツ峠山荘のHPをご覧ください

アツモリソウなどの希少な花々は、かつては人為的な盗掘により個体数が激減し、今では二ホンジカによる食害により山全体の植生が危機に晒されています。
アツモリソウや周囲の植生を守るための防鹿柵の設置し、維持管理をしながら植生の回復を見守っています。
防鹿柵の外側は、鹿が食べない毒草であるトリカブトやマルバダケブキ等ばかりが目立つ状態です。
2021年秋頃からは既存の防鹿柵へ鹿が侵入した痕跡が見つかり、柵の嵩上げなどを行い対処しています。
残念ながら未だに盗掘も確認されており、また近年では花の撮影を目的とする人の踏み荒らしや踏み固めにより自生地の縮小が危惧されています。
アツモリソウ等のラン科植物は発芽や成長に地中の菌類から栄養を得ており、柵の周囲を踏み固めてしまうことは菌の流れを止め、結果としてアツモリソウが生育できる範囲を狭めてしまいます。