令和6年度活動報告まとめ
今年度は雨天などによる例会活動の延期や中止が多くなった年でした。
例年通りササ刈り等の防鹿柵内の手入れを継続しつつ、新たに御巣鷹山の登山道沿いのロープ張りと裏登山道沿いの鹿よけの為の有刺鉄線張りを行いました。
今年度から新たに行った活動としてはオオバギボウシの種子の散布作業と、外部委託によるニホンジカの駆除事業があります。
近年の夏の異常な暑さにより日当たりの良すぎる場所のアツモリソウが元気が無い印象があります。
天然の日陰となるようアツモリソウと相性の良いオオバギボウシの種子をアツモリソウ周辺に撒く作業を10月例会に行いました。
オオバギボウシ種子散布作業




裏登山道沿い防鹿柵付近の有刺鉄線張り




ニホンジカの駆除は山梨県からの希少種保護の為の助成金を申請し、獣害対策専門の外部業者への委託により罠猟を実施しました。
事業開始が遅れてしまい11月から開始し、地面が凍結し罠が作動しなくなる1月末まで行いました。
設置後すぐにメスの小鹿が掛かり1匹駆除しました。しかしながらその後は越冬の為山頂周辺からは鹿も少なくなり、また警戒心を強めたようで罠を設置した周辺では鹿の痕跡も一時的に少なくなりました。
結果として1匹だけの駆除となってしまいましたので、残りの助成金はくくり罠の購入に充てました。来年度以降も継続して駆除事業を計画し、三ツ峠山荘の方で狩猟免許の取得を計画しています。



今年度の植生の状況
アツモリソウはこの数年開花個体数が減少傾向。夏の異常な暑さと冬の積雪量の少なさによる凍結深度が深くなり共生菌に悪影響の可能性。
カモメランは自生地の情報拡散により年々見物の登山者が多くなり、植生を理解しない人による踏み荒らしが悪化している。盗掘や鹿による食害も確認。
ニホンジカは相変わらず多く、トリカブトやマルバダケブキも以前に増して積極的に食べるようになった。

